2008 見つめることさえ咎めるのか諸君/猥雑さに祈れ/この世界が終わるまでに(僕の心臓に触れてそれから)/爪先までの数分間/神を貶め遊ぶこどもたち (たぐりよせる)(081101) 正しさたずさえ君はどこ行く/光がどんなに速くても/天に届くは君の腕か/星は瞳に闇を預けた/シスターその花で僕を救え/一切れのパンと海が見えるまで/そして抱くのはこの世界/壊した黒に何を憂う/オシリスと夜を包むその手/群青に溺れ僕は君を待つ (空に見つける10)(080725) 別れの言葉のかわりに今、歌え/黒板に殴り書き/くちびるからこぼれた/最後なんて気はしなかった (080316)(卒業) 涙を拭う前に、それに溺れてしまえばいいのだ。/さよならメデューサ、続きは鏡の中で/飽きはてた腕にひとつまみの砂糖/無限に香る、夢路の果てに (080316) 泣くな少年嘆くな少女/切れ端ラブレター/極彩色が暴いた本当/楽園を追い出されるための唯一の方法/天井とピストルとオリオンと/欲しいのはあまりにありきたりな後悔の言葉/椿の手元に雨ふらし/賽の河原でさようなら (080103) 2007 迎えに来たよ/「私の骨が朽ちるまでこないで」/閉じた瞼にさよなら/咥えた指を離してみればいい/舞い降りた蝶を弾き殺し/殴りつけてはくり返す「愛してる」 (070820) 焼けた海に世界の終末/たとえ夕日が空を血に染めようとも/気まぐれ王子の家出/「もうもどってこないよ!」/捨てられた賛美歌/私のもつたったひとつの美しい歌はもう砂の中で/昏倒したかみさま/手を汚さない死神 (070628) 撫でた先を喰らう/首絞め指、今度は海へ/透明な睫毛/僕の感情はゴミ袋行き/あなたの膝元で私が死んでいる (070620) 破滅のパレードはトンネルの向こうで/大人たちが狂った子供を追いかけて埋めるように/「空を飛びたい」と言った君を屋上から突きおとすことについて/指の音はすべてを救う/赤の呪いが沈んでく (070429) 君の桃色の指先が光を撫でるように攫っていく/踏み出した足は影を引き連れて/瞬間を刻んだ手首/くずれたみぎうで/私たちは皆だれかのこども/この美しき世界は光を浴びながら汚れてく/「私たちは未来のためだけに動いているんだね」/偉大なる嘲笑と侮蔑 (070426) 君は何を見て目を押し潰してしまった/黒うさぎと一緒に冬の星空を/窓にはりついた影はやがて夜をも飲み込んで/菜の花のためのタップダンス/それなら静かに泣いてみるがいい/走りながら滲むコバルトブルーに全てを捧げよう (070302) ありふれた愛の形を嗤ってきた僕/ありふれた愛の輪郭を守っている僕/ありふれた愛の奥を壊すだろう僕 (070223) 2006 祈るように落ちていく/二度と帰れぬ少女に/「あなたに忠誠を」/あのとき見た未来は、きっと今の私 (061224) 私に暗闇しか残さないで/青に染まれ/全て笑顔で終わらせて/死にながらに愛せ/月光が足音をはこぶ/救われない日々が毎日だったとして、/うつむく虹/歩むならそこは地平線/星の淘汰/ゆるしてしまったそのときに (061119) 悲しむために僕は何をする/生きることが怖いなら、未来を埋めてしまえばいい/太陽はいつか私の目を潰してしまう (061101) 生きるためのレクイエム/十は完璧を謳って/紫の流星群/水没していく雪の花/手と手を合わせて祈るか呼ぶか (061025) モノクロームに包まれるにはまだはやすぎた/命を知らない身体/朝は雨に濡れて夜に逃げかえる/この爪に悲痛を捧げて/金色に浮かぶ夜の星(みることなどできない)/光なんて入ってくるな/包帯を解きたいと願ったのは誰だ/血に満たされる/おれのこどくはかがくのこどく/夜に紛れ、死に隠れ、呪いは私の足跡に/ゆめみるなみんな (061017)(魔色/魔食11) 今を重ねて歩くなら/骸骨は魂が恋しくなって/知られずの魚/句読点が引きはなす/スカイブルー空に還る (060923) 光の届くところにしかまだいられない/「生きていてよかった?」/涙は海に交じり/「僕はこんなに弱かったのに!」 (060902) 死した心に鎌が刺さる/三日月の青白い刃/底しれず出づる涙/世界などわかるものか/殺人犯と手をつなぐ/血を失う/足をひきずり、光などなく/またふたをしめた/身体からとびでたナイフ/在るがままに破壊する/亡霊が僕を包む/只の痛みじゃないか/「どうして殺してくれなかったの?」/白く凍った細い腕/刀で縛り付ける/拷/問われることなどあるべきか/死神とワルツを (060902)(葬るしかない) おいで、睡眠薬はここにある/さあ帰りましょう/行く場所はないのです/遥か彼方は冷たい荊/からめて、有刺鉄線/溺れていくのもいいかもね/瞼に触れ、/光を放ったら、鼻をすすり、涙をぬぐい、/マリアは地下へ/埋められる少女/闇を孕めば銀河はそこに/死んだ光/裸足のままじゃつらいでしょう、 (060713)(夜は隣13) ゆびわのかわりにキスを/さよならとかいた手のひら/口にあてた白百合/何度も首に巻きつけて/黒いペディキュア/青く染めた瞳/銀色の親指/外に居つづける心/思考を口から/五体不満足/全て自分で切り落とす/地につく髪の毛/どこまでも続くピアス/白い糸を抜くと/背中にイニシャル/太ももの蝶/刺青/冷たく乾いた舌/白い花が身体中に咲きほこる/刺さる針/陶器の鎖骨/伏せるまつげ/十字架の爪/透ける闇の指/胸像となった私 (060225)(身体25) |